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「オープンキャンパス、楽しかった!」
素晴らしいことです。しかし、その感想だけで終わらせてしまうのは、あまりにももったいない。
こんにちは、大学職員のシュウです。毎年、仕事で何百通という志望理由書に目を通しますが、そこには明確な差が存在します。パンフレットの言葉をただ並べただけの学生と、自分の言葉で、体験に基づいて大学の魅力を語れる学生とでは、熱意の伝わり方が天と地ほど違うのです。
では、後者になるための最大のチャンスはどこにあるのか?
それが、オープンキャンパスです。
この記事を読めば、あなたのオープンキャンパスが、未来の合格を手繰り寄せるための戦略的な「取材活動」に変わることをお約束します。この活動は単なる情報収集ではありません。それは、大学が求める「主体性」や「探究心」を、行動そのもので証明するプロセスなのです。
なぜ、あなたの志望理由書は「ありきたり」になってしまうのか?
多くの受験生が、大学のWebサイトやパンフレットに書かれている「建学の精神」や「カリキュラムの特徴」をそのまま書き写してしまいます。もちろん、それらの情報を理解することは重要です。しかし、誰もがアクセスできる情報だけでは、あなたの個性や熱意は伝わりません。
面接官や選考担当者の心を動かすのは、あなた自身の「体験」から生まれた、具体的で生き生きとした言葉です。そして、その貴重な「体験」を得られる最高の場所こそが、オープンキャンパスなのです。
【取材術】説得力を生む「一次情報」の集め方
ここからは、あなたの志望理由書を「ありきたり」から「唯一無二」へと変えるための、「ネタ」の集め方を伝授します。
ネタ①:「人」から“物語”を聞き出す
オープンキャンパスで最も価値があるのは、そこにいる「人」との出会いです。あなたの質問の質そのものが、あなたの熱意の証明になります。
- 在学生に聞くべき魔法の質問: 「この大学に入って、一番『成長した』と感じる経験は何ですか?」
→この質問への答えには、その大学が学生にどのような影響を与えるかを示す、リアルなエピソードが詰まっています。「〇〇というプロジェクトで、失敗を恐れずに挑戦する文化を学んだ」といった具体的な物語は、パンフレットのどんな美辞麗句よりも強力な志望動機になります。 - 先生に聞くべき魔法の質問:
> 「先生が、この大学で研究・教育をする一番の魅力は何ですか?」
→この質問からは、先生自身の情熱や、大学が持つ「研究環境の強み」が具体的に見えてきます。「学生との距離が近く、自由な発想を尊重してくれる土壌がある」といった言葉は、その大学の教育方針を裏付ける最高の「証言」です。
さらに差をつけるための質問リスト
あなたの「取材」をより深く、体系的にするために、以下の質問リストも活用してください。
- 学業について: 「1年次から専門科目はどのくらい受講できますか?」「〇〇先生の研究について、学部生はどのように関わることができますか?」
- 学生生活について: 「学生の方々は、どんな雰囲気の方が多いですか?」「特に活発なサークルや学生主体のイベントは何ですか?」
- キャリア支援について: 「卒業生の主な就職先にはどのような企業がありますか?」「在学中に利用できるインターンシップの機会はありますか?」
ネタ②:「場所」の“空気感”を言語化する
Webサイトの綺麗な写真だけでは伝わらない、キャンパスの「空気感」を自分の五感で感じ取り、言葉にしましょう。
- 図書館:
「ただ蔵書が多い」ではなく、「〇〇の分野の専門書がこれほど充実していることに驚いた」「学生が静かに、しかし熱心に議論している共同学習スペースの活気ある雰囲気に感銘を受けた」など、自分がどう感じたかを具体的にメモします。 - 研究室・ゼミ:
もし研究室やゼミが公開されていれば、必ず覗いてください。そこに置かれている機材の充実度、流れる「活気」や「学生と教員の親密な距離感」は、Webサイトでは絶対にわからない、その大学の学びの「素顔」です。
ネタ③:「模擬授業」を“批評”する
「面白かった」「分かりやすかった」という感想だけでは不十分です。その授業が、あなたの知的好奇心にどう作用したかを記録しましょう。
(メモの例)「先生の『〇〇』という説明が、これまで自分が△△だと理解していた常識を覆す、新しい視点だった。この講義をきっかけに、『□□』という新たな問いが生まれ、この問いをもっと深く探求したいと強く感じた。」
このように記録することで、模擬授業が単なる体験から、あなたの学びへの意欲を示す具体的なエビデンス(証拠)に変わります。
【大学選びの視点】大学職員が注目する「伸びる大学」の3つのサイン
志望理由書のネタ探しと同時に、その大学が「自分にとって本当に良い大学か」を見極めることも重要です。偏差値や知名度だけではわからない、「入学後に学生が成長できる大学」に共通するサインを、大学職員の視点から3つお伝えします。
サイン①:「学生の目」が輝いているか
オープンキャンパスで案内役をしている在学生の「目」に注目してください。マニュアル通りの説明だけでなく、自分の言葉で、本当に楽しそうに大学生活の魅力を語っているか。彼らの姿は、その大学の学生満足度を映す「鏡」であり、最も信頼できる情報源です。
サイン②:「掲示板」は生きているか
少しマニアックに聞こえるかもしれませんが、学生課やサークル棟の「掲示板」は情報の宝庫です。学内イベント、サークル、勉強会、留学報告会などのチラシで溢れ、活気に満ちているか。学生の自主的な活動がどれだけ盛んかは、掲示板の賑わいに如実に表れます。
サイン③:「困ったとき」の受け皿が見えるか
キャリアセンター(就職課)や学生相談室、保健室などが、オープンキャンパスで積極的に情報発信しているかどうかも重要なチェックポイントです。これは、大学が学生のサポート体制に自信を持っている証拠であり、あなたが万が一困ったときに、安心して頼れる場所があるという「お守り」になります。
【執筆術】集めたネタを「志望理由書」に昇華させる
オープンキャンパスで集めた具体的なエピソードは、PREP法を使って志望理由書に落とし込むことで、絶大な説得力を持ちます。
- P (Point): 結論 → 貴学の〇〇な学風に強く惹かれ、志望いたします。
- R (Reason): 理由 → そのように感じたのは、オープンキャンパスで出会った在学生の方の言葉がきっかけです。
- E (Example): 具体例 → 在学生の〇〇さんは、1年次から参加できる『地域連携プロジェクト』について、「当初は失敗ばかりでしたが、教員の方々の『まずやってみろ』という励ましのもと、最終的に地元商店街の課題を解決する提案ができました。この経験を通じて、パンフレットにある『挑戦を後押しする文化』が単なるスローガンではないと肌で感じました」と目を輝かせて語ってくれました。その姿から、貴学には学生の挑戦を後押しする文化が根付いていると確信しました。
- P (Point): 結論(再) → ぜひ私も、そのような環境で4年間を過ごし、〇〇という目標を実現したいと考えております。
【最終チェック】アドミッション・ポリシーと接続する
執筆の最終段階として、最も重要な作業が残っています。それは、集めたネタを、大学が公式に示している「アドミッション・ポリシー(求める学生像)」と結びつけることです。
あなたの「取材」で得たエピソードの一つひとつが、アドミッション・ポリシーに書かれている「主体性」「協調性」「課題解決能力」といったキーワードを証明する「証拠」となります。この最終チェックを行うことで、あなたの志望理由書は、単なる熱意の表明から、「私は貴学が求める人材そのものです」という論理的な自己推薦書へと昇華されるのです。
まとめ
オープンキャンパスは、大学が用意した「答え合わせの場」ではありません。
それは、あなたが自分だけの「物語」を見つけ、未来の合格を手繰り寄せるためのスタート地点です。
「評価されるため」ではなく、「自分の言葉で語るため」に。
ぜひ、楽しみながら未来のための「取材活動」に臨んでみてください。あなたのオープンキャンパスが、実り多き一日になることを心から願っています。
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