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「子どもの大学費用、どうしよう…」
「一番有名なJASSOの奨学金は調べてみたけど、種類が多くてよく分からない…」
大学の学費は、決して安いものではありません。
奨学金制度を考えている学生や保護者の方は、非常に多いと思います。
こんにちは、大学職員のシュウです。
奨学金担当者ではない僕でも、毎年「もったいないな…」と感じる学生に、たくさん出会います。
ほんの少し「情報の探し方」を知らなかったばかりに、年間50万円、4年間で200万円以上にもなる、返済不要のチャンスを逃しているかもしれないのです。
この記事では、「もらえる」お金、つまり返済が不要な給付型奨学金と学費免除制度にテーマを絞り、その探し方のコツと、採用されるためのポイントを、具体的にお伝えします。
STEP1:国の2大支援「修学支援新制度」と「多子世帯無償化」を理解する
まず押さえるべきは、国が主体となって進める、2つの大きな「返済不要」の経済支援制度です。
高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金+学費免除)
これは、「給付型奨学金の支給」と「授業料・入学金の免除または減額」がセットになった、非常に強力な制度です。
- 対象者: 基本的に、住民税非課税世帯、およびそれに準ずる世帯の学生。
支援を受けられる金額は、ご家庭の収入に応じて、第I〜第III区分(+多子世帯)の4段階に分かれています。まずは、下のシミュレーターで、ご自身がどの区分に該当するかを確認してみましょう。
あなたは対象?支援区分判定シミュレーター
ご家庭の年収や家族構成を入力すると、高等教育の修学支援新制度でどの支援区分(第I〜IV区分)に該当するかの目安を判定します。
1. 保護者様の情報
2. お子様の情報
【重要】この結果は、標準的な控除額を基にした簡易的なシミュレーションです。実際の審査では、個別の状況に応じて厳密な計算が行われるため、結果が異なる場合があります。最終的な確認は必ずJASSOの「進学資金シミュレーター」をご利用ください。
ご自身の区分が分かったら、次に、その区分でいくら支援が受けられるのか、具体的な金額をシミュレーションしてみましょう。
もらえる額は?支援額シミュレーター
高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金+授業料減免)で、あなたが受けられる可能性のある年間の支援額の目安を計算します。
結果はここに表示されます
年間の支援額 (2年目以降)
¥ 0
(授業料減免+給付型奨学金)
初年度の合計支援額
¥ 0
(上記年間支援額+入学金減免)
※これはあくまで目安です。正確な金額はJASSOの公式サイトでご確認ください。
2025年度から開始!多子世帯への「大学授業料等の支援拡大」
そして、2025年度から、子育て世帯にとって非常に大きな意味を持つ新制度が始まります。それが、多子世帯(子ども3人以上)を対象とした、大学授業料等の支援拡大です。
- 開始時期: 2025年度(令和7年度)から
- 対象者: 扶養する子どもが3人以上いる世帯の学生
- 支援内容: 大学、短期大学、高等専門学校の授業料と入学金を、国の定める標準額を上限として全額支援
- 所得制限: なし
この制度の最も画期的な点は、所得制限がないことです。これまで所得基準で国の修学支援を諦めていた多くの多子世帯が、支援の対象となります。
【重要】ただし、「無償化」という言葉には注意が必要です。
この制度が支援してくれるのは、あくまで国公立大学の授業料等を基準とした上限額までです。そのため、私立大学などで、その上限額を超える学費が必要な場合、差額は自己負担となります。 それでも、支援額が大幅に拡大される、非常に価値のある制度であることに変わりはありません。
【最重要の注意点】長子が扶養から外れると、対象外になる
この制度で最も注意すべきなのは、「扶養する子どもが3人以上」という条件です。これは、常に3人以上の子どもを扶養している必要がある、ということです。
例えば、3人兄弟の長子(第1子)が大学を卒業して就職し、扶養から外れたとします。すると、その時点で扶養する子どもは2人(第2子、第3子)になります。その結果、まだ大学に通っている第2子も、この制度の対象から外れてしまうのです。
何を隠そう、3児の父である我が家も、このルールには肩を落としました。 我が家は第1子と第3子が12歳も離れているため、この制度が発表された当初、「これで大学費用が…!」と大きな期待を寄せたのです。しかし、蓋を開けてみれば、我が家の場合は、実質的に第1子しか、この恩恵を受けられないことが分かりました。
これは、子どもの人数で支給額が変わる「児童手当」と同じ仕組みですね。常に扶養している子どもの人数でカウントされる、という点にご注意ください。
STEP2:本当の狙い目!大学独自の「返済不要」奨学金を探す
国の制度の対象にならなかったとしても、諦めるのはまだ早いです。むしろ、ここからが本番です。
大学は、それぞれが独自の奨学金制度を数多く持っています。これらは募集期間が短く、対象者も限定されるため、知っている人しか応募しません。つまり、競争率が低い「穴場」なのです。
情報はどこにある?
情報はすべて「大学の公式サイト」の「奨学金・経済支援」といったページにあります。そこで、以下の3種類の奨学金がないか、徹底的に探してください。
- 大学独自の給付型奨学金
- 成績優秀者向け: 入学試験や1年次の成績上位者に、授業料の半額や全額が給付される制度。
- 家計急変者向け: 保護者の失職や病気などで家計が急変した場合に、授業料を免除・減額してくれる制度。これは多くの大学にあり、知っているかどうかが死活問題になります。
- 民間団体の奨学金
- 企業や財団が、将来の人材育成のために給付するものです。大学のサイトに、その大学の学生が応募できるものの一覧が掲載されています。
- 地方公共団体の奨学金
- 出身地や、大学の所在地によっては、その自治体が奨学金を出している場合があります。
これらの情報は、大学の学生課(学生支援課)の掲示板にしか掲示されないケースも少なくありません。定期的に学生課の掲示板をチェックする。このアナログな習慣が、思わぬチャンスに繋がります。
【大学職員が明かす】採用される「申請書」3つのコツ
ただ応募するだけでは、採用の確率は上がりません。申請書類を審査する側の視点から、採用されやすい申請書の書き方のコツを3つ、こっそりお伝えします。
「なぜ、お金が必要なのか」を熱意あるストーリーで語る
「経済的に苦しいです」とだけ書かれていても、審査員の心には響きません。あなたの熱意と、お金の必要性を、具体的なストーリーとして繋げてください。
▼悪い例
「家庭の経済状況が厳しく、学業の継続が困難です。ご支援をお願いいたします。」
▼良い例
「私は〇〇という分野の研究に非常に強い関心があります。しかし、研究に必要な専門書(一冊〇円)の購入や、学会への参加が、経済的な理由で難しい状況です。アルバイトの時間をこれ以上増やすと、研究の時間が確保できません。この奨学金をいただくことで、アルバイトの時間を減らし、その分を研究に集中投下することで、必ず成果を出したいと考えております。」
このように、経済的な困難が、あなたの学びたいという意欲を、具体的にどう阻害しているのかを、熱意と共に伝えてください。
成績と出席状況は、あなたを雄弁に語る
家計状況が主な審査基準となる奨学金でも、同程度の収入の家庭が複数応募してきた場合、最終的にどこで判断すると思いますか?
それは、成績と出席状況です。「この学生は、支援する価値のある、真面目な学生か」という、信頼性の証明になります。決して、おろそかにしてはいけません。
「併用可」の奨学金を狙って、チャンスを2倍にする
奨学金には、他の奨学金と同時に受け取れる「併用可」のものと、そうでない「併用不可」のものがあります。この情報は、必ず「募集要項」に記載されています。複数の奨学金に応募する際は、この「併用」のルールを必ず確認しましょう。「大学独自の給付型奨学金(50万円)」と「民間団体の奨学金(30万円)」の両方に採用されれば、年間80万円の支援を受けることも、夢ではありません。
【年間スケジュール】いつ、何をすべきか?
奨学金の募集は、一年中行われているわけではありません。チャンスを逃さないための、大まかな年間スケジュールです。
- 4月~5月: 【最重要】大学独自の奨学金(在学生向け)の募集が集中。
- 6月~7月: JASSOの奨学金予約採用(高校生向け)の申し込み時期。
- 9月~10月: 後期授業料の免除申請や、秋募集の奨学金。
- 11月~1月: 次年度に向けた、民間団体や地方公共団体の奨学金募集が始まる。
【Q&A】よくある質問と、大学職員の「本音」回答
Q1. 奨学金をもらうと、親の扶養から外れますか?
A1. いいえ、基本的には外れません。奨学金は、税法上「学資金」として扱われ、非課税所得となるため、扶養の条件である年間所得には含まれません。ただし、アルバイト収入が多い場合は注意が必要です。
Q2. 留年したら、奨学金はどうなりますか?
A2. ほとんどの場合、停止、または廃止されます。奨学金は「標準修業年限(4年間)で卒業できる見込みのある学生」を支援するためのものだからです。留年は、経済的にも非常に大きなペナルティがあることを、肝に銘じてください。
まとめ:チャンスは、探しにいく者の元にやってくる
返済不要の経済支援は、待っているだけでは、誰も教えてくれません。自ら情報を探しにいき、手を挙げた者だけが、その恩恵を受けることができます。
まずは、この記事で紹介したステップで、あなたの大学の公式サイトを隅々まで調べてみてください。その少しの手間が、あなたの大学生活を、大きく変えるきっかけになるかもしれません。
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