制度情報は対象年度・公式窓口の最新案内もあわせてご確認ください。

会社員の副業はいくらから確定申告?20万円ルール・経費・住民税を整理

会社員の副業は、売上が20万円を超えたら一律に確定申告する、という仕組みではありません。年末調整済みの給与所得者は、原則として「給与・退職所得以外の所得」の合計が20万円を超えるかで判断します。副業の種類、経費、ほかに確定申告する理由があるか、住民税の申告が必要かも一緒に確認しましょう。

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先に結論

  • 1か所から給与を受け、年末調整済み:給与・退職所得以外の所得合計が20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。
  • 判定するのは売上ではなく所得:一般的な業務に係る雑所得なら「収入-必要経費」で計算します。
  • 20万円以下でも例外あり:医療費控除やふるさと納税などで確定申告する場合は、副業所得も申告に含めます。
  • 住民税は別:所得税の確定申告が不要でも、住所地の自治体へ住民税申告が必要になるのが原則です。

情報確認日:2026年8月9日
主な法令等の基準:国税庁タックスアンサー掲載の「令和7年4月1日現在法令等」。本記事は日本の所得税・個人住民税に関する一般的な制度を説明しています。

会社員の副業にある「20万円ルール」

国税庁は、給与を1か所から受け、その給与の全部が源泉徴収の対象となる人について、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合、原則として確定申告が必要と案内しています。

主な状況所得税の扱い確認ポイント
年末調整済みの給与が1か所、副業所得が20万円超原則、確定申告が必要副業の収入ではなく所得合計で判定
年末調整済みの給与が1か所、副業所得が20万円以下一定の場合は確定申告不要住民税申告は別途確認
給与が2か所以上別の20万円判定あり年末調整されなかった給与収入と給与・退職所得以外の所得を確認
医療費控除などで確定申告する副業所得も申告20万円以下でも省略しない
同族会社の役員が会社から利子・賃貸料等を受け取る金額にかかわらず申告が必要な場合一般の20万円ルールだけで判断しない

20万円は、副業1件ごとの基準ではありません。原稿料、配達、動画・写真販売など複数の所得があれば、給与・退職所得以外の対象となる所得を合計して判断します。

会社員でも確定申告が必要になる条件全体は、会社員でも確定申告が必要なケースで整理しています。

20万円は「売上」ではなく「所得」で判定

業務に係る雑所得 = 副業の総収入金額 − 必要経費

たとえば、副業の売上が年間32万円、業務に直接必要な経費が13万円なら、所得は19万円です。ほかに給与・退職所得以外の所得がなく、年末調整済みの給与が1か所だけなら、所得税の確定申告が不要になる可能性があります。

反対に、売上が18万円で経費が1万円なら所得は17万円ですが、別の雑所得が6万円あれば合計23万円です。個々の副業ではなく、対象となる所得の合計で判断します。

副業の種類によって所得区分が変わる

副業という呼び方だけで、すべて雑所得になるわけではありません。契約内容、仕事の継続性・規模、帳簿保存などの実態に応じて判断します。

  • 別の勤務先でアルバイト:通常は給与所得
  • 原稿、講演、配達、シェアリングエコノミーなど:一般的には業務に係る雑所得となる例
  • 事業として独立・継続して行う業務:実態によって事業所得となる可能性
  • 不動産の貸付け:原則として不動産所得
  • 生活用の古着・家財の売却:原則として非課税。ただし貴金属・書画・骨とうなど1個または1組30万円超の資産等は別の扱い

「収入300万円」で自動的に事業所得にはならない

収入額だけで所得区分が自動的に決まるわけではありません。事業所得か雑所得かは、社会通念上事業といえるかを実態から判断します。帳簿書類の保存は重要な判断材料ですが、形式だけ整えればよいわけではありません。判断が難しい場合は税務署または税理士へ確認してください。

副業の必要経費にできるもの

必要経費にできるのは、収入を得るために直接必要な費用や、売上原価などです。副業の内容により対象は変わります。

  • 販売商品の仕入代金、梱包材、販売手数料
  • 業務で使用した通信費、クラウドサービス利用料
  • 取材・打合せ・配達など業務上必要な交通費
  • 業務用の消耗品、資料代
  • 一定のパソコン・カメラなどの減価償却費

スマートフォン代、自宅の通信費・電気代など、家事と業務の両方に使う費用は全額を経費にできるとは限りません。利用時間や面積など合理的な基準で、業務上直接必要な部分を明確に区分します。領収書だけでなく、用途や按分根拠も記録しておきましょう。

雑所得の赤字は給与所得と相殺できない

国税庁は、雑所得の計算で生じた損失は、給与所得など他の所得から差し引けないと案内しています。副業で赤字が出たことだけを理由に、給与から源泉徴収された所得税が還付されるわけではありません。

副業所得が20万円以下でも確定申告へ含めるケース

  • 医療費控除を受ける
  • 住宅ローン控除を初めて受ける
  • ワンストップ特例を使わず、ふるさと納税を申告する
  • 年末調整を受けておらず、還付申告をする
  • ほかの理由で所得税の確定申告書を提出する

20万円以下の申告不要制度は、一定の給与所得者が所得税の確定申告を省略できる制度です。確定申告書を提出するなら、20万円以下の副業所得だけを除外することはできません。

医療費控除を申告する人は医療費控除の対象と申告方法を、ふるさと納税がある人はワンストップ特例が無効になるケースも確認してください。

20万円以下でも住民税の申告は別途必要

所得税の20万円以下の申告不要制度は、個人住民税へそのまま適用されません。所得税の確定申告をしない場合、原則として住所地の市区町村へ住民税申告が必要です。提出方法や不要となる例は自治体によって案内が異なるため、住所地の公式サイトで確認してください。

住民税の納付方法と勤務先への通知

確定申告書では、給与・公的年金等以外の所得に対する住民税について「自分で納付」を選べる場合があります。ただし、副業が給与所得の場合や自治体の処理によっては希望どおりにならないことがあります。勤務先へ絶対に知られない方法ではありません。就業規則や副業届出の要否も別に確認してください。

必要書類と確定申告の手順

準備するもの

  • 本業・副業先の源泉徴収票(副業が給与の場合)
  • 副業の売上・報酬を確認できる明細、入金記録
  • 領収書、請求書、利用明細、経費の按分記録
  • 報酬から源泉徴収された税額が分かる支払調書・明細等
  • 各種控除証明書、本人確認・還付口座等の情報

支払調書が届かなくても、申告義務がなくなるわけではありません。契約書、請求書、入金履歴などから収入と源泉徴収税額を確認します。

申告までの流れ

  1. 1月1日から12月31日までの副業収入を集計する
  2. 必要経費を整理し、所得金額を計算する
  3. 副業の所得区分を確認する
  4. 本業の源泉徴収票、控除資料などと合わせて申告書を作る
  5. 住民税に関する事項と納付方法を確認する
  6. e-Tax、郵送または税務署窓口で提出し、納付または還付を確認する

通常の所得税の確定申告・納付期限は、原則として対象年の翌年3月15日です。休日に当たる場合や災害等による延長がある場合は、国税庁の対象年分の案内を確認してください。

帳簿・書類は副業開始時から残す

申告時期になってから1年分を復元するのは大変です。売上日、取引先、金額、入金日、経費の支払日・用途を日々記録しましょう。国税庁は、前々年の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える人について、現金預金取引等関係書類の5年間保存を案内しています。1,000万円を超える場合は、確定申告時に収支内訳書等の添付も必要です。

よくある質問

副業先から支払調書が来なければ申告しなくてよい?

いいえ。支払調書の交付有無と、本人の申告義務は別です。入金明細や請求書などで収入を集計します。

経費を引く前の売上が20万円を超えたら申告?

業務に係る雑所得なら、原則として収入から必要経費を引いた所得で判定します。ただし、別の副業所得との合計、給与が複数ある場合、ほかに申告する理由がある場合は判定が変わります。

副業が赤字なら会社の給与と相殺できる?

雑所得の赤字は給与所得と損益通算できません。事業所得に該当するかは活動の実態で判断され、本人の選択だけでは決まりません。

公式情報

本記事は一般的な制度案内であり、個別の税務判断を行うものではありません。所得区分、必要経費、申告義務は契約や活動実態で変わります。最終判断は国税庁・住所地の自治体の最新案内または税務署、税理士へ確認してください。

次に確認すること

まず会社員の確定申告要否診断で、自分に申告が必要になりそうか確認しましょう。次回は、年末調整と確定申告の違いを、どちらで何を処理できるかに分けて整理します。

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