制度情報は対象年度・公式窓口の最新案内もあわせてご確認ください。

NISAは確定申告が必要?損益通算できない損失と配当の受取方法

NISA口座内の対象商品から生じた売却益や、非課税要件を満たす配当等については、NISA分を確定申告する必要はありません。一方、NISA口座で生じた売却損失は税務上ないものとみなされるため、特定口座・一般口座の利益との損益通算や、翌年以降への繰越控除はできません。

先に結論
①NISAの売却益は申告不要、②NISAの損失は申告しても損益通算できない、③国内上場株式・ETF・REITの配当等を非課税で受け取るには「株式数比例配分方式」が必要です。銀行口座や郵便局で受け取って課税された配当等は、申告してもNISAの非課税扱いには戻りません。

情報確認日:2026年9月15日
国税庁・金融庁・日本証券業協会の現行案内を確認しています。本記事は一般的な税務情報です。NISA以外の所得、控除、課税口座の取引を含む申告要否は個別条件で変わるため、税務署や税理士へ確認してください。

NISAと確定申告の扱いを3つに分ける

発生したものNISAでの扱い確定申告
NISA口座内の売却益非課税NISA分は申告しない
NISA口座内の売却損失税務上ないものとみなされる損益通算・繰越控除に使えない
株式数比例配分方式で受け取る国内上場株式等の配当非課税NISA分は申告しない
銀行口座・郵便局で受け取る国内上場株式等の配当20.315%で源泉徴収申告不要を選べる。申告してもNISA非課税には戻らない

まず、取引した口座がNISA口座か、特定口座・一般口座かを分けます。次に、売却益・売却損・配当等のどれかを確認します。配当等の場合は、商品だけでなく受取方法も確認するのがポイントです。

NISAの売却益は確定申告しない

NISA口座で取得し、NISA口座内で保有している対象商品を売却した利益は非課税です。金融機関を通じてNISA口座内で売却した利益を、給与や課税口座の所得と合算して申告する必要はありません。

ただし、「NISA口座を持っている人は確定申告が不要」という意味ではありません。特定口座・一般口座の取引、副業収入、医療費控除など、NISAとは別の理由で確定申告が必要または有利になる場合があります。会社員の一般的な分岐は、会社員でも確定申告が必要なケースで確認できます。

NISAの損失は損益通算できない

NISA口座で商品を売却して損失が出ても、その損失は税務上ないものとみなされます。したがって、次のような使い方はできません。

  • 特定口座・一般口座の上場株式等の売却益と相殺する
  • 課税口座の配当所得等と相殺する
  • 控除しきれない損失を翌年以降3年間へ繰り越す

例:NISA口座で30万円の売却損、課税口座で40万円の売却益が出ても、課税口座の利益を10万円まで減らすことはできません。NISAの30万円は申告上の損失に含めず、課税口座の取引を別に計算します。

「損失を申告すれば税金が戻る」と考えて、NISAの年間取引報告だけを基に損益通算しないよう注意してください。売却後に再利用できる非課税保有限度額の扱いは税務上の損益とは別です。枠についてはNISA売却後の非課税枠が復活する時期で整理しています。

課税口座の損失なら通算・繰越できる場合がある

特定口座・一般口座で生じた一定の上場株式等の譲渡損失は、確定申告により、その年の一定の配当所得等と損益通算できる場合があります。通算後も損失が残る場合は、翌年以後3年間の繰越控除を受けられる場合があります。

繰越控除を続けるには、株式等の譲渡がなかった年も含め、原則として連続して確定申告書を提出する必要があります。対象取引や必要書類は条件が細かいため、NISAの損失と混ぜず、証券会社の年間取引報告書と国税庁の案内を確認してください。

配当を非課税にする受取方法

NISA口座で保有する国内上場株式、ETF、REITの配当金・分配金を非課税にするには、証券会社の取引口座で受け取る株式数比例配分方式を選択します。

受取方法受取先NISAの配当等
株式数比例配分方式各証券会社の取引口座非課税
登録配当金受領口座方式指定した1つの銀行口座20.315%で源泉徴収
個別銘柄指定方式銘柄ごとに指定した銀行口座20.315%で源泉徴収
配当金領収証方式郵便局・ゆうちょ銀行等20.315%で源泉徴収

銀行口座や郵便局で受け取って源泉徴収された配当等は、確定申告をしてもNISAの非課税扱いに変更できません。ただし、その配当等自体は、申告不要のままにするほか、一定の場合に総合課税で配当控除を受ける、または申告分離課税で課税口座の上場株式等の譲渡損失と通算する選択肢があります。どの方法が有利かは所得や他の取引で変わります。

株式数比例配分方式を確認する手順

  1. 証券会社へログインする
  2. 配当金・分配金の受取方法または登録情報を開く
  3. 現在の方式が「株式数比例配分方式」か確認する
  4. 変更する場合は、配当基準日より前に余裕をもって手続きする
  5. 複数の証券会社を使っている場合は、他社口座への影響も確認する

株式数比例配分方式は、証券会社ごとに別の方式を選ぶ仕組みではありません。複数の証券会社で保有している上場株式にも適用され、それぞれの証券会社口座へ配当等が振り込まれます。また、信託銀行等の特別口座に上場株式がある場合など、利用できないことがあります。

金融機関の確認先
配当受取設定の場所、取扱商品、積立方法、手数料、サポートをまとめて確認したい場合は、NISA口座の金融機関を比較するポイントへ進んでください。現在の口座を変える場合は、先にNISAの金融機関変更の期限と手順を確認します。

投資信託の分配金は扱いが異なる

NISA口座で保有する株式投資信託の普通分配金は、上場株式のように株式数比例配分方式を選ばなくても非課税です。一方、元本払戻金(特別分配金)は利益ではなく元本の一部払戻しに当たるため、NISAかどうかにかかわらず、もともと課税対象ではありません。

分配金が出たことだけで運用成果が良いとは限りません。分配後はその分だけ基準価額が下がるため、受取額だけでなく、保有商品の評価額と合わせて確認します。

NISAとは別に確定申告を検討するケース

  • 課税口座の一定の譲渡損失を、配当所得等と通算したい
  • 課税口座の譲渡損失を翌年以後3年間へ繰り越したい
  • 銀行口座・郵便局で受け取り課税された配当等について、申告方法を比較したい
  • 一般口座で売却益が出た
  • 給与、副業、医療費控除、ふるさと納税など、投資以外の申告事項がある

これらは「NISAを使ったから申告する」のではなく、NISA以外の課税関係を処理するための申告です。申告する配当や損失の範囲、住民税や社会保険料への影響なども含めて判断が必要な場合は、税務署または税理士へ確認してください。

確認チェックリスト

  • 取引口座がNISA・特定・一般のどれか確認した
  • NISAの売却益を申告所得へ含めていない
  • NISAの売却損を課税口座の利益と相殺していない
  • 国内上場株式等の配当受取方式を確認した
  • 複数証券会社や特別口座がある場合の制限を確認した
  • 投資信託の普通分配金と元本払戻金を区別した
  • NISA以外の所得・控除・課税口座の申告要否を分けて確認した

よくある質問

NISAで損をしたら確定申告で税金が戻りますか?

NISA口座の売却損は税務上ないものとみなされるため、その損失だけを申告して、課税口座の利益や配当等と損益通算することはできません。

銀行で受け取って税金が引かれた配当は申告すれば非課税になりますか?

なりません。株式数比例配分方式以外で受け取り課税された配当等は、申告してもNISAの非課税扱いには戻りません。申告不要、総合課税、申告分離課税の選択は別の税務判断です。

投資信託だけなら配当受取方式の変更が必要ですか?

NISA口座で保有する株式投資信託の普通分配金は、上場株式の配当等とは異なり、株式数比例配分方式を選択しなくても非課税です。

次に確認するページ

公式情報

税制、配当受取方式、証券会社の画面は変更される場合があります。申告前には国税庁の最新案内を、配当基準日の前には利用中の証券会社で現在の受取方式を確認してください。

上部へスクロール